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美容学生のサロン見学、当日は何を見せるか。来てよかったと思われる受け入れ方

 株式会社セイファート

美容学生がサロンを見学している様子(渋谷・原宿サロン見学ツアー)
美容学生がサロンを見学している様子(渋谷・原宿サロン見学ツアー)

技術の高さは、学生には判断できません。

これからサロン見学が増える時期です。1年生が、授業や友達の話をきっかけに動き始めます。求人票では伝わらないものを伝えられる、いちばん大きな機会です。

ところが当日の流れが決まっていないサロンが多く、「とりあえず来てもらって、店長が少し話して終わり」になりがちです。腕を見てもらえば伝わるはず、という前提に立っているからかもしれません。

当日に何を見せるか。誰が案内するか。帰ったあとに何を送るか。順にまとめました。

学生が本当に見ているのは、技術ではありません

見学に来た学生に、何を見ていたか後から聞きます。 返ってくるのは、だいたいこういうことです。

  • スタッフ同士が、どんな話し方をしているか
  • 先輩が後輩にどう教えているか
  • 忙しいときの空気がどうなるか
  • お客様に対する言葉づかい
  • 自分に声をかけてくれる人がいたかどうか

冒頭に書いたとおり、技術の高さは学生には判断できません。1年生ならなおさらです。見ているのは「ここで自分が働いている姿が想像できるか」。

ですから当日に力を入れるのは、見せ方ではありません。いつもどおりの空気を見てもらうこと。その空気のなかに学生を置くこと。

当日の流れを決めておく

毎回その場で考えていると、案内する人によって中身が変わります。 紙1枚でよいので、流れを決めておいてください。

時間 やること
到着〜5分 出迎え、荷物を置く場所を案内、飲み物を出す。緊張をほどく
5〜20分 店内を回る。シャンプー台、カラー剤の棚、バックヤード、休憩室
20〜35分 施術を見る。可能なら近くで
35〜50分 スタッフ2〜3名と話す。店長以外も必ず入れる
50〜60分 質問の時間。こちらからも聞く。次に何があるかを伝えて見送る

目安は1時間。 それ以上は、学生も疲れますし、現場の手も止まります。 1時間でも、ここに挙げた内容はひととおり入ります。

必ず見せたほうがよい場所

  • 休憩室とバックヤード。見せないサロンが多いのですが、学生がいちばん知りたい場所です。1日の大半を過ごす場所だからです
  • シャンプー台。入社して最初に任される仕事です
  • 薬剤の棚。どんな薬剤を使っているかは、学校でも習っています

見せ方で気をつけること

きれいに片づけすぎないでください。いつもと違う状態を見せると、入ってから「話が違う」となります。

見学は、こちらが選ばれる場であると同時に、学生が自分で判断する場です。

近くに複数店舗があるなら、回ってもよい

複数店舗を持つサロンなら、1日で2店舗を回っていただく見せ方があります。 1店舗1時間なら、移動を含めて半日。

回ることで伝わるのは、こういうことです。

  • 会社としての雰囲気。1店舗だけだと、その店の店長の色なのか、会社の色なのかが分かりません
  • 店舗によって客層や雰囲気が違うこと。「自分はこちらのほうが合いそう」と考えられます
  • 配属されたあとの想像がつきやすくなります

順番は、近いところから遠いところへ。 時刻は店舗ごとに変わります(11時にA店、13時にB店、というように)。 移動の時間と、昼の時間を忘れずに入れてください。

3店舗以上は詰め込みすぎです。 学生は疲れますし、最後のほうは何も覚えていません。2店舗まで。

回る店舗は、雰囲気の違う2店舗を選ぶと効きます。 似た店を2つ見ても、新しく分かることがありません。

店長だけで対応しない

これがいちばん大事かもしれません。

学生にとって、店長はいちばん遠い人です。入社して毎日いっしょに過ごすのは2〜3年目の先輩で、その先輩と話す時間がないと、働いている姿が想像できません。

入社2〜3年目のスタッフを、必ず1人は案内に入れてください。

  • 学生と年齢が近く、話しやすい
  • 「1年目はどうでしたか」に、実感を持って答えられる
  • 学生が本音を出しやすい

そのスタッフにも、何を話すかを事前に伝えておいてください。 「自分が入ったばかりのころ、大変だったことと楽しかったことを話して」。 これだけで十分です。

こちらからも質問する

見学は学生が質問する場だと思われがちですが、こちらから聞くことで分かることが多くあります。

  • どの学校の、何年生か
  • 何をきっかけにうちを知ったか
  • ほかにどんなサロンを見ているか(正直に話してくれなくても構いません)
  • 卒業したらどんな美容師になりたいか
  • 気になっていることはあるか

「何をきっかけに知ったか」は必ず聞いてください。 Instagram なのか、学校の先生なのか、友達なのか。 これが分かると、次にどこへ力を入れるかが決まります。聞いたその場でメモに残してください。

一方で、聞いてはいけないこともあります。 家族の職業、住んでいる家の種類、本籍地など、本人に責任のない事項は、採用の場でたずねてはいけないとされています。

詳しくは美容師の中途採用面接で聞くことにまとめていますが、新卒の見学でも同じです。会話が弾むぶん、うっかり踏み込みやすいところです。

帰ったあとが、いちばん差がつきます

来ていただいた日のうちに、一言送ってください。

「本日はお越しいただき、ありがとうございました。◯◯さんとお話しできてうれしかったです。気になることがあれば、いつでもご連絡ください」

これだけです。 内容より、その日のうちに届くことに意味があります。

1年生の見学なら、ここから長い付き合いになります。 1年生の秋に来た学生が入社するのは、2年以上先。 そのあいだ連絡が途切れると、学生の中からサロンの記憶が消えます。

時期 送る内容
当日 お礼の一言
2週間後 「学校はどうですか」程度の軽い連絡
2〜3か月ごと サロンの近況、スタッフの様子、イベントの案内
2年生の春 選考の案内

毎月送る必要はありません。忘れられない程度で十分です。 送りすぎるとブロックされます。

見学の記録を残す

見学に来た学生の情報が、案内した人の頭の中にしか無い。 よくある状態です。

  • 誰が、いつ、どの店舗に来たか
  • 何年生か、どの学校か
  • 何をきっかけに知ったか
  • 誰が対応したか
  • その日どんな話をしたか

これが残っていないと、半年後に連絡しようとしたときに何も思い出せません。 案内したスタッフが辞めていれば、完全に消えます。

とくに卒業年度は必ず残してください。 1年生と2年生では、送るべき内容がまったく違います。 学年が混ざった名簿に同じ文面を送ると、どちらにも合わない連絡になります。

サロン見学をLINEで受ける

私たちが提供している「QJ Manager」は、サロンのLINE公式アカウントにつないで使う採用管理ツールです。 見学のまわりでは、次のように使えます。

  • 見学の予約は、登録済みの枠から学生ご自身に選んでいただけます。日程調整の往復が減ります
  • 前日・当日のリマインドが自動で届きます。来られなくなる人が減ります
  • 店舗ごとに枠を分けられるので、複数店舗でも取り違えが起きません
  • 1日で2店舗を回る見学も、まとめて予約できます(11時にA店、13時にB店というように、店舗ごとに違う時刻で)。店舗ごとに受け入れる職種を設定しておけば、希望に合う店舗だけを案内できます
  • 受付用のQRコードを読み取っていただくと、来場したことが記録に残ります
  • そのQRを読んだ日を起点に、「◯日後にこの文面」を自動で送れます。当日のお礼や2週間後の連絡を、手作業にしなくて済みます
  • 学校・卒業年度・知ったきっかけ・対応した担当者を記録でき、卒業年度で絞って連絡できます
  • やり取りが1人ごとにまとまって残るので、案内したスタッフが不在でも、他の人が状況を見て返せます

見学から内定までの流れ全体は、美容室の新卒採用のはじめ方にまとめています。

まとめ

  • 学生が見ているのは技術ではなく、スタッフ同士の空気。きれいに片づけすぎない
  • 当日の流れを紙1枚で決めておく。1時間が目安
  • 休憩室とバックヤードを見せる。学生がいちばん知りたい場所
  • 近くに複数店舗があるなら、雰囲気の違う2店舗を回ってもよい。3店舗以上は詰め込みすぎ
  • 店長だけで対応しない。入社2〜3年目のスタッフを必ず入れる
  • こちらからも聞く。とくに「何をきっかけに知ったか」
  • 当日のうちにお礼を送る。1年生なら、そこから2年以上の付き合いが始まる
  • 学校・卒業年度・きっかけ・担当者を記録に残す。頭の中に置かない

今年の見学で、何人の学生が来て、そのうち何人といま連絡が取れているでしょうか。 過去のやり取りを調べてみると、採用のボトルネックが見えてくるかもしれません。

見学に来ていただいた時点では、まだ誰も落ちていないのです。

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