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美容室の採用にかかるお金。1人あたりいくらかを、入口ごとに出す

 株式会社セイファート

採用にかかった費用を計算している場面のイラスト
採用にかかった費用を計算している場面のイラスト

いちばん高くつくのは、誰も採れなかった月の費用です。

採用の費用を「年間でいくら使ったか」で見ているサロンは多いのですが、その見方だと高い安いが判断できません。30万円かけて3人採れた年と、20万円かけて0人だった年では、安いのは前者です。

必要なのは、1人あたりいくらかかったかという数字です。これを入口ごとに出せると、翌年どこにお金を置くかが決まります。

出し方と、見落とされやすい費用をまとめました。

1人あたりの費用を出す

計算そのものは単純です。

その入口にかけた費用 ÷ その入口から入社した人数

年に1回でかまいません。ただし、入社した人数で割ってください。応募の数で割ると、応募は多いけれど誰も決まらない入口が安く見えてしまいます。

入口 年間の費用 入社 1人あたり
媒体A(掲載課金) 36万円 1 36万円
成果課金サイト 50万円 2 25万円
人材紹介 90万円 1 90万円
スタッフの紹介 10万円 1 10万円
自店のSNS 0円 1 0円

この表が出た時点で、翌年の組み立ては半分決まります。ただし数字だけで切らないでください。急ぎのときに動けるのは、いちばん高い入口です。

入口ごとに、費用の出方が違う

入口 いつ払うか 採れなかったら
掲載課金の求人媒体 掲載したとき 費用は戻りません
成果課金の求人サイト 応募または採用が出たとき かかりません
人材紹介 入社が決まったとき かかりません
ハローワーク・学校 — 無料です
自社の入口(SNS・店頭・紹介) 手間と時間 積み上がりは残ります

掲載課金だけが、成果にかかわらず先に出ていく形です。だからこそ、掲載する前に求人票を整える意味があります。美容室の求人票の書き方にまとめました。

美容師の成果課金は、1人あたり15万円から30万円程度が目安です。

人材紹介の手数料は、どう決まるか

いちばん高く、いちばん分かりにくいのがここです。

理論年収の何パーセント、という形

手数料は、採用した方の理論年収に料率をかけて決まります。

理論年収 = 月給 × 12 + 賞与

料率は法律上50%まで設定でき、実際には30〜40%が多いとされます。業界や職種によっては20〜35%の範囲で設定されることもあります。

月給25万円、賞与なしの美容師を採った場合で見てみます。

計算 手数料
理論年収 25万円 × 12 300万円
料率30% 300万円 × 0.30 90万円
料率35% 300万円 × 0.35 105万円

1人採るのに90万円。高く感じますが、探す手間をまるごと任せられることの対価です。条件が難しいとき、急いでいるときには、他に代わりがありません。

契約前に、3つ確かめてください

料率が何パーセントか。 当たり前に見えますが、口頭だけで進むことがあります。

理論年収に何を含むか。 賞与、各種手当、歩合の見込み。ここの定義で金額が変わります。

返金規定があるか。 これがいちばん大事です。

返金規定を必ず見る

紹介された方が早く辞めてしまったときに、手数料が戻る仕組みです。会社によって条件が違いますが、こういう形がよくあります。

退職の時期 返金の割合
入社1か月以内 80%
1か月〜3か月 50%
3か月〜6か月 10%

保証期間は90日から180日程度が多いようです。返金規定が無い契約もあります。 その場合、入社翌日に辞めても全額が費用として残ります。

ここは契約書を見るところです。条件は会社によって違うので、必ずご確認ください。

見えていない費用のほうが、大きいことがある

請求書が来ないので気づきにくいのですが、採用には人の時間がかかっています。

  • 求人票を書く
  • 応募に返信する
  • 日程を調整する
  • 面接をする(店長が営業を抜ける)
  • 見学を受け入れる
  • 内定後の連絡を続ける

店長の時給を仮に3,000円として、ひと月に10時間使えば3万円です。年間で36万円。媒体1本ぶんと同じくらいの金額が、請求書の来ない形で出ていきます。

さらに、面接や見学で店長が営業を抜ければ、その時間の売上も止まります。実際の負担は時給ぶんより大きくなります。

この部分は、やり方を変えれば減らせます。費用の削減というより、同じ費用でもっと採れるようにするための余地がここにあります。

早期離職は、費用を二重に払うこと

採用の費用を考えるとき、ここを入れないと数字が実態と合いません。

90万円かけて採った美容師が3か月で辞めた場合、起きるのはこうです。

  • 支払った90万円(返金規定があれば一部戻ります)
  • 入社から3か月ぶんの給与と社会保険料
  • 教えたスタッフの時間
  • そして、もう一度採用する費用

採用の費用は、採った時点では確定しません。定着して、はじめて確定します。 定着にかける手間は、次の採用費用を減らすための投資です。

何が起きて辞めるのかは、採用した美容師が3か月で辞めるにまとめました。

削るところと、削らないところ

費用を下げたいとき、手をつける順番があります。

先に見直すもの

  • 決まっていない入口。 1年出して1人も入社していない媒体は、まず止めて考える
  • 同じ人に二重に払っていないか。 媒体を通った方に、あとから別の経路で声をかけても費用の対象になることがあります。経路の記録が無いと、これが分かりません
  • 返事の遅さで取りこぼしていないか。 これはお金ではなく、お金を無駄にしている状態です

削らないほうがよいもの

  • 急ぎのときの手段。 人材紹介は高いですが、1人欠けたまま回す損失のほうが大きいことがあります
  • 自社の入口を育てる手間。 今日やっても効くのは半年後です。困ってから始めても間に合いません

入口ごとの数字を出せるようにする

私たちが提供している「QJ Manager」は、サロンのLINE公式アカウントにつないで使う採用管理ツールです。費用そのものを下げる道具ではありませんが、1人あたりの費用を出すために必要な数字がそろいます。

  • 媒体・SNS・店頭・紹介それぞれに別のQRコードを置けるので、どこから来たかが自動で記録される
  • 入口ごとに、応募・面接・入社の人数を書き出せる
  • 応募を受け取ると自動で返事が届くので、返事の遅れによる取りこぼしが減る
  • 日程調整は本人に枠を選んでいただけるので、やり取りの往復が減る

入口ごとの入社人数が出れば、あとは支払った額で割るだけです。この表が出せるかどうかで、翌年の予算の決め方が変わります。

中途採用でのご利用については、中途採用向けのご案内でご説明しています。

まとめ

  • 年間の総額ではなく、入口ごとに「1人あたりいくらか」を出す。割るのは応募数ではなく入社人数
  • 掲載課金だけが、採れなくても先に出ていく
  • 人材紹介は理論年収(月給×12+賞与)の30〜40%が多い。月給25万円なら90万円前後
  • 契約前に、料率・理論年収の定義・返金規定の3つを確かめる
  • 返金規定は会社によって違い、無いこともある。必ず契約書を見る
  • 請求書の来ない人件費が、媒体1本ぶんに達することがある
  • 早期離職は費用を二重に払うこと。採用費は定着してはじめて確定する
  • 1年出して誰も入社していない入口から見直す。急ぎの手段と自社の入口は削らない

去年、採用にいくら使ったでしょうか。そして、何人が入社したでしょうか。

割り算の答えを知らないまま次の契約を更新しているなら、高いのか安いのかを決めているのは、こちらではないのかもしれないのです。

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