美容室の採用管理表の作り方。どの段階で止まっているかを数字で見つける

「応募が来ない」。採用がうまくいかないとき、多くのサロンで最初に出てくる言葉です。
けれど実際に数えてみると、違う場所で止まっていることがあります。応募は月に8件あるのに面談に来たのは2人だった。面談した人には全員内定を出したのに、1人も入社しなかった。こうした場合、求人広告を増やしても採用数は増えません。
止まっている場所は、段階ごとに人数を数えると見つかります。採用管理表の作り方と、数字が悪いときに何を疑えばよいかをまとめました。
採用を5つの段階に分ける
まず、応募から入社までを段階に区切ります。サロンによって選考の流れは違いますが、最低限この5つがあれば止まっている場所は分かります。
| 段階 | 数えるもの |
|---|---|
| 1. 応募 | 求人媒体・SNS・紹介から連絡が来た人数 |
| 2. 面談の約束 | 日程が決まった人数 |
| 3. 面談の実施 | 実際に来店した人数 |
| 4. 内定 | 内定を出した人数 |
| 5. 入社 | 実際に入社した人数 |
サロン見学や技術試験を行っているサロンは、その段階を足してください。中途採用では見学を面談の前に置くことが多く、新卒採用では見学が入口になります。
大切なのは、段階を増やしすぎないことです。細かく分けるほど記録が面倒になり、続かなくなります。まずは5つから始めて、必要になってから足すほうがうまくいきます。
月ごとに人数を並べる
表計算ソフトで、縦に段階、横に月を並べます。
| 段階 | 7月 | 8月 | 9月 |
|---|---|---|---|
| 応募 | 6 | 8 | 7 |
| 面談の約束 | 5 | 4 | 3 |
| 面談の実施 | 4 | 2 | 2 |
| 内定 | 2 | 2 | 1 |
| 入社 | 1 | 0 | 1 |
上から下へ読むと、どこで人数が大きく減っているかが見えます。この例では応募は7〜8件で安定しているのに、面談の約束から実施の間で毎月半分近くに減っています。つまり約束したのに来ていないのが一番の問題で、求人広告を増やしても解決しません。
数字は1か月分では判断できません。3か月ぶん並べて、続けて悪い段階を探してください。
数字が悪いときに疑うこと
応募が少ない
応募そのものが少ない場合、次のどれかに当てはまることが多いです。
- 求人の条件が周りに見劣りしている。近隣の同じ規模のサロンの給与・休日・時間を、実際に求人媒体で見比べてください
- 応募の入口が分かりにくい。求人ページを見てから応募するまでに、電話をかける・メールを書くといった手間があると、そこで離れます
- 応募できる時間帯が合っていない。美容師は日中は仕事中です。夜や定休日に見て、その場で応募できるかどうかが効いてきます
面談の約束まで進まない
応募はあるのに日程が決まらない場合、多くは返事までの時間です。
応募してから最初の返事までに何日かかっているか、直近の10人ぶんを数えてみてください。2日以上かかっているなら、そこが原因の可能性が高いです。求職者は同時に複数のサロンへ応募しています。先に返事をくれたサロンの面談が決まれば、そのまま連絡が途切れます。
日程を決めるやり取りの回数も数えてください。「ご希望の日を3つお送りください」から始めると、往復が4回、5回と増えます。その間に気持ちが離れます。
面談の約束はあるのに来ない
ここで減っている場合、疑うのは次の2つです。
- 約束から当日までが空きすぎている。2週間先だと、その間に他社が決まります
- 前日の連絡をしていない。仕事をしながら転職活動をしている人は、単純に忘れます
内定を断られる
内定を出したのに入社に至らない場合は、条件だけの問題とは限りません。
- 選考の途中で、この先どういう流れになるのかを伝えていない
- 働く人や店内の様子を見る機会がないまま、面談だけで終わっている
- 内定から入社までの間、連絡が途切れている
断られたときは、差し支えのない範囲で理由を聞いて記録してください。3人ぶん集まると、同じ理由が並びます。
一緒に見ておきたい3つの数字
段階ごとの人数に加えて、次の3つを記録しておくと打ち手が決まりやすくなります。
応募から入社までの日数。 求職者は複数のサロンを同時に見ています。先に決まったところへ行くので、日数が短いほど採用できます。応募日と入社決定日を記録して、平均を出してください。
応募のきっかけ(経路)。 どの求人媒体・SNS・紹介から来たかを、応募者ごとに記録します。経路ごとに応募数と入社数を並べると、応募は多いのに入社に至らない経路が見つかります。次にどこへ出稿するかの判断材料になります。
1人採用するのにかかった費用。 その月に使った求人費用を、その月の入社人数で割ります。経路ごとに出せると、さらに判断しやすくなります。
まず埋める5つの欄
いきなり全部を記録しようとすると続きません。応募者ごとに、まずこの5つだけ埋めてください。
| 欄 | 例 |
|---|---|
| 応募日 | 9/3 |
| 名前 | — |
| 経路 | 求人媒体A/Instagram/スタッフ紹介 |
| 最初に返事をした日 | 9/3 |
| いまの段階 | 面談の約束 |
この5つがあれば、段階ごとの人数も、返事までの日数も、経路ごとの結果も出せます。慣れてきたら、面談の日付・内定日・入社日・断られた理由を足してください。
表計算で崩れるところ
採用管理表は、表計算ソフトで始めて構いません。ただし、続けていくと次の場面で崩れます。
- 応募が重なったとき。やり取りはLINEやメール、記録は表計算と場所が分かれているため、書き写しが後回しになります
- 担当者が休みのとき。やり取りが個人の端末にあると、他の人には状況が見えません
- 複数店舗のとき。店舗ごとに表が分かれ、全体の数字が出せなくなります
崩れる原因は共通していて、やり取りと記録が別の場所にあることです。
QJ Managerでの採用管理
私たちが提供している「QJ Manager」は、サロンのLINE公式アカウントにつないで使う採用管理ツールです。この記事に書いた数字を、書き写さずに出せるようにしています。
- 応募者がLINEで答えた内容が、そのまま名簿に載る
- 面談・サロン見学の予約が入ると、名簿の段階が自動で進む
- 段階ごとの人数が、月ごとのレポートに出る
- 応募のきっかけを、求人媒体ごとの専用QRコードで分けて記録できる
- 返事をしていない人が一覧で分かる
- 前日・当日のリマインドが自動で届く
- やり取りと名簿が同じ画面にあり、担当者が不在でも他のスタッフが状況を追える
中途採用でのご利用については中途採用向けのご案内で、新卒採用については美容学生の採用管理でご説明しています。応募への対応そのものを見直したい場合は美容師求人の応募対応もあわせてご覧ください。
まとめ
- 「応募が来ない」と決めつけず、応募・面談の約束・面談の実施・内定・入社の5段階で数える
- 3か月ぶん並べて、続けて人数が減っている段階を探す
- 約束まで進まないときは、返事までの日数と、日程を決めるやり取りの回数を数える
- 約束はあるのに来ないときは、当日までの日数と前日の連絡を見直す
- 応募から入社までの日数・経路・1人あたりの費用も記録する
- まずは応募日・名前・経路・最初に返事をした日・いまの段階の5つから
今月の応募者を、この5つの欄で並べてみてください。
埋められない欄があるとすれば、そこは記録できていないのではなく、見えていなかったところなのかもしれません。
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