アイリスト・ネイリストの採用は、美容師と何が違うか。免許・募集・受け入れの分け方

アイリストには美容師免許が要ります。ネイリストには、国家資格そのものがありません。
同じサロンの中で働いていても、採用で確かめることはまったく違います。ところが求人も選考も「美容師の採用」のやり方をそのまま当てはめているサロンが多く、入ってから困ることになります。
職種による違いを、免許・募集・受け入れの3つに分けてまとめました。
まず、免許の扱いが違う
ここを取り違えると、採用の可否そのものを間違えます。
| 職種 | 必要な免許・資格 |
|---|---|
| 美容師 | 美容師免許(国家資格)が必須 |
| アイリスト | 美容師免許(国家資格)が必須 |
| ネイリスト | 国家資格はなし。 民間の検定が目安になる |
アイリストに美容師免許が要る理由
まつ毛エクステンションの施術は、美容師法でいう「美容」にあたります。 厚生労働省が2008年3月7日の通知「まつ毛エクステンションによる危害防止の徹底について」で明示しました。
したがって、美容師免許を持たない人に施術をさせることはできません。 無免許での施術は美容師法違反にあたり、罰則の対象になります。施術する場所も、美容所として登録されている必要があります。
募集のときに「未経験歓迎」と書くこと自体は問題ありませんが、免許の有無だけは最初に確かめてください。 「まつエクのスクールに通っていました」という方が、美容師免許を持っているとは限りません。ここは経験の話とは別です。
ネイリストは国家資格がない
ネイリストには国家資格がありません。ネイル専門のサロンは、保健所への美容所登録も不要です(税務署への開業届は別途必要です)。
代わりに、技術の目安になる民間の検定があります。
- JNECネイリスト技能検定(1級・2級・3級)
- JNAジェルネイル検定(上級・中級・初級)
- JNAフットケア理論検定
- ネイルサロン衛生管理士
この級が、そのまま実力の順番になるとは限りません。 検定は持っていないけれど現場で5年やってきた方もいれば、1級を持っていても実務が浅い方もいます。級は会話の入口として聞き、実際に何をどのくらいやってきたかを別に確かめてください。
募集の出し方が違う
聞く項目を分ける
同じ応募フォームで受けると、どちらの職種にも合わない質問が並びます。
| 美容師 | アイリスト | ネイリスト | |
|---|---|---|---|
| 免許 | 美容師免許の取得年 | 美容師免許の取得年 | (国家資格なし) |
| 資格 | — | アイリスト検定など | JNEC・JNAの級 |
| 経験 | スタイリストデビューの時期 | 1日の担当本数、まつ毛パーマの可否 | ジェル・スカルプ・フットの経験 |
| 実績 | 指名、店販 | 指名、リペアの比率 | 指名、デザインの幅 |
| 働き方 | 営業後の練習 | 施術時間の長さ(1人90〜120分) | 同左 |
アイリストとネイリストは、1人あたりの施術時間が長いという共通点があります。美容師のように「1日に何人」で聞くと数が小さく見えますが、埋まり方の意味が違います。本数だけでなく、1人にどのくらいかけてきたかを聞いてください。
求人は職種ごとに分けて出す
「美容師・アイリスト・ネイリスト募集」とまとめた求人票は、どの職種の方にも自分のこととして読まれません。給与も、求められる経験も違うからです。
手間でも分けてください。分けたほうが、応募してくる方の中身が合います。
募集できる店舗が限られることがある
ここが見落とされやすいところです。
- まつ毛エクステができるのは、美容所として登録された場所
- ネイルブースがある店舗と、ない店舗がある
- アイリストが1人しかいない店舗では、教える人がいない
全店で同じ募集を出すと、受け入れられない店舗に応募が来ます。 「来ていただいたのに、その店舗では募集していませんでした」は、いちばん避けたい形です。
受け入れ方が違う
配属の判断が、店舗と職種の掛け算になる
美容師だけなら「どの店舗に配属するか」で済みます。職種が増えると、店舗 × 職種で考えることになります。
- その店舗に、その職種の設備があるか
- その職種の先輩がいるか(教える人、相談できる人)
- その店舗の客層に、その職種の需要があるか
ひとりだけ配属しないことを、とくに気をつけてください。アイリストが1人の店舗に新しいアイリストを入れると、辞めたときに一気に回らなくなります。逆に新しく入った方から見ても、相談相手がいない状態は続きません。
評価とデビューの基準を、職種ごとに決める
美容師のアシスタント期間とデビューの考え方を、そのままアイリストやネイリストに当てはめると噛み合いません。施術の内容も、独り立ちまでの道のりも違うからです。
- 入って何か月で、どこまで任せるか
- 指名が付くまでにどのくらいかかるか
- 給与の歩合は、何を基準にするか(施術か、指名か、物販か)
ここが決まっていないと、面接で聞かれたときに答えられません。答えられないサロンは、比べられたときに弱くなります。
練習の時間をどう扱うか
美容師の練習(ウィッグ・モデル)と同じ枠組みで考えると、ずれます。アイリストやネイリストの練習は、相モデルや自分の手で行うことが多く、必要な時間も違います。
営業後の練習が勤務時間に入るのかどうかは、職種にかかわらず最初に文字で伝えてください。 ここは美容室全体で揉めやすいところです。
中途が中心になりやすい
新卒で入ってくるのは、多くが美容師です。アイリストやネイリストは、経験者を中途で採る場面が中心になります。
中途採用では、応募が来てからの数日で他店に決まります。時期の考え方や応募対応のつまずきは、職種が変わっても同じです。
一方で、美容学生のなかには「まつげをやりたい」と考えている方もいます。美容師免許が必要な職種なので、学生のうちから接点を持てるのはアイリストの強みです。新卒で採ってアイリストとして育てる道もあります。
職種で分けて受け付ける
私たちが提供している「QJ Manager」は、サロンのLINE公式アカウントにつないで使う採用管理ツールです。職種が複数あるサロンでは、次のように使えます。
- 応募の受付で、希望職種(スタイリスト・アシスタント・アイリスト・ネイリスト)を選んでいただける
- 店舗ごとに受け入れる職種を設定でき、希望に合う店舗だけを案内できる(アイリストは2店舗だけ、といった運用ができます)
- 職種で絞り込んで、その職種の方にだけ連絡できる
- 美容師免許の有無を記録でき、あとから確かめられる
- 見学や面談の予約枠を店舗ごとに持てるので、職種と店舗の組み合わせを取り違えません
複数の職種と店舗を同時に扱うほど、頭の中と個人のスマートフォンでは追えなくなります。
中途採用でのご利用については、中途採用向けのご案内で詳しくご説明しています。
まとめ
- アイリストは美容師免許が必須(厚生労働省 2008年3月7日通知)。無免許での施術は美容師法違反
- ネイリストに国家資格はない。 民間の検定は目安として聞き、実務の中身を別に確かめる
- 求人は職種ごとに分けて出す。聞く項目も給与の基準も違う
- 全店で同じ募集を出さない。受け入れられる店舗が限られることがある
- 配属は「店舗 × 職種」で考える。ひとりだけ配属しない
- デビューの基準・歩合の基準を職種ごとに決める。面接で必ず聞かれる
- アイリスト・ネイリストは中途が中心。応募後の数日で決まる
いまの求人票を、職種ごとに読み返してみてください。
同じ文面でまとめているなら、どの職種の方にも「自分のことではない」と読まれているのかもしれません。
参考:厚生労働省 まつ毛エクステンションによる危害防止の徹底について(2008年3月7日)/公益財団法人 日本ネイリスト検定試験センター(JNEC)
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